【産後うつのサインを見逃さないで!】チェックリストで早期発見。改善のために知っておきたいこと。

「産後うつ」という言葉を耳にしたことはありますか?
“鬱うつ” という言葉は、近年ほとんどの方が一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
うつに対する社会的な認知度は高まりましたが、どこか他人事のように感じていたり「まさか自分が…」と、うつ症状とは無縁だと思っている方は少なくありません。
あなたも「まさか、そんな鬱なんて…」と、自分の状態を軽視していませんか?
もし、あなたが、子育てを「つらい」「苦しい」と感じていたり、理由もないのに気持ちが沈んで、生きることさえしんどいと感じているのなら、もしかしたら、それは「産後うつ」の始まりなのかもしれません。
産後うつは決して他人事じゃない
「産後うつ」とは、出産後に現れる「うつ状態」のことで、ホルモンバランスの急激な変化や、慣れない育児によるストレス、そしてあなた自身の「生き方のクセ」などが複雑に絡み合って発症します。
産後うつと聞くと、深刻な状態を想像するかもしれませんが、実際には軽度なものから、日常生活を送ることが困難になる重度なものまで様々な状態があります。
そして最悪の場合、誰にも相談できずに孤立し、親子で 悲しい結末を迎えてしまう可能性も否定できません。
ニュース等で、育児や介護疲れによって起きた悲しい事件を、あなたも一度は目にしたことがあると思います。
それは、決して他人事ではなく、条件が揃えば、誰もが起こりうる身近な問題なのですよね。
産後、お母さんたちは、赤ちゃんのお世話に追われ自分のことは後回しにしがちです。
自分の心と身体が悲鳴をあげていることに気づかず、そのまま放置していると、ストレスや疲労はどんどん積み重なっていき、そして確実に心のエネルギーはすり減っていきます。
どうか覚えておいてください。
「産後うつ」は決して、あなたの心の弱さや、努力不足のせいではありません。
はじめての出産、はじめての子育て。
「こんな風に子育てしたいな」 「こんな優しい子に育ってほしいな」と、たくさんの希望と、少しの不安を抱えながら、あなたは懸命に赤ちゃんと向き合っているはずです。
しかし、 赤ちゃんを育てるということは、想像以上に、身体的にも精神的にもエネルギーを必要とするのです。
必死になって子育てに身を捧げるあまり、あなたは自分の心のエネルギーが 徐々に失われていることに気づけていないかもしれません。
産後うつは、チェックリストを使ってご自身で確認することができます。これを機に、あなたの心身の状態を見つめることから始めてみましょう。
「産後うつ」セルフチェックリスト
以下のチェックリストは、産後うつの方によく見られる心の状態や身体的症状をまとめたものです。
- 気分の浮き沈みがジェットコースターのように激しい
- 夜なかなか眠れない、 または深く眠ることができず日中も強い眠気を感じる
- 疲れがとれない、倦怠感があり身体が重い
- 食欲がない、体重が減った
- パートナーや家族の何気ない言動にイライラし怒りが止められない
- いつも「私が悪い」「こんな母親で赤ちゃんが可哀想だ」と自分を責めてしまう
- 完璧主義な傾向があり「家事も育児も私が完璧にこなさなければ」と強い責任感を感じてしまう
- 本当は助けてほしいのに、周りの人を頼ることができない
- 些細なことでも悲しくなる、涙が止まらなくなる
- ふとした瞬間に「消えてしまいたい」「どこか遠くへ逃げてしまいたい」と感じることがある
- 洗濯や料理など、これまで普通にできていたことが急に億劫に感じたり、全くできなくなってしまう
- 罪悪感に苛まれ、自分を叩いたり傷つけたくなることがある (自傷行為)
- わが子を可愛いと思えない瞬間があり、そんな自分に強い嫌悪感を抱いてしまう
いくつ当てはまりましたか? 当てはまる数が多いほど、産後うつの可能性が高まっているかもしれません。
それぞれの項目について、もう少し詳しく見ていきましょう。
1、気分の浮き沈みがジェットコースターのように激しい
気分の波が極端に大きくなってしまうのは、うつ状態にある場合によく見られる特徴です。
育児や家事が思い通りに進められ、うまくできた時には、自分を認められるのに、一度でもできないことがあると「将来に希望が持てない」「私の人生はもうダメだ」と、深い絶望に突き落とされるような感覚になります。
感情の振り子が大きく揺れることで、あなたの心は辛くなり疲弊してしまいます。
ホルモンバランスの乱れも気分の落ち込みに影響しますが、根底には「子どものために頑張らなければ」という強い思いがあります。
思い通りにならない育児。理想と現実のギャップに苦しんでいるのかもしれません。

2、夜なかなか眠れない、 または深く眠ることができず日中も強い眠気を感じる
不眠は、産後うつを引き起こす大きな要因の一つです。
特に、お子さんが小さいうちは、夜間の授乳やミルクで、まとまった睡眠時間を確保することが難しいですよね。
パートナーの協力が得られない場合は、身体的な回復が非常に困難になります。
身体的な疲労は、心にも大きな影響を与えます。
夜中に「あの時こうすればよかった…」と延々と反省したり、将来の不安に押しつぶされそうになったりすることで、ますます眠れなくなってしまうこともあるかもしれません。

3、疲れがとれない、倦怠感、身体が重い
うつの症状として、身体の重さやだるさ、疲労感がよくみられます。
洗顔、着替え、立ち上がるなど、日常的な動作でも疲労を感じたり、何かをしようとするとすぐに疲れを感じることがあります。
通常の疲労は休息をとることで回復しますが、うつによる症状であれば、休息しても改善しないことが多いです。
4、食欲がない、体重が減った
やる気が出ない、気分の落ち込み、不眠以外にも、食欲が落ちて食事をすることが困難になることもあります。
授乳中はカロリー消費を増加させるため、体重が減る傾向にありますが、過度に体重が減ったり、今まで大好きだったものにも興味を示さなくなったり、食べ物が喉を通らないなど、このような症状が続く場合には注意が必要です。
5、パートナーや家族の何気ない言動にイライラし怒りが止められない
赤ちゃんの泣き声や、パートナーの 「手伝うよ」という一言にさえイライラしてしまう場合、あなたは今、心に余裕がない状態です。
何かに追われているように感じたり、重い責任を背負っているように感じることはありませんか?
心に余裕がないと、周りの人の些細な言葉も、責められているように感じてしまい、相手に対して、怒りが湧いたり攻撃的な態度をとってしまいます。
相手の気持ちを考える余裕さえ失ってしまうほど、あなたの心のエネルギーが枯渇しているかもしれません。

6、いつも「私が悪い」「こんな母親で子どもが可哀想だ」と自分を責めてしまう
自分を責めることは、産後うつを悪化させる大きな要因となります。
もしかしたら、あなたには、母親になる前から「自分を責めてしまう癖」があったのかもしれません。
妊娠中に思い描いていた理想の子育てと、現実に起こる様々な困難とのギャップを感じたときに、できない自分を強く責めてしまいます。
また、赤ちゃんに感情的に怒ってしまった後には、こんな小さな子にひどいことをしてしまったという罪悪感に苛まれ、さらに自分を追いつめてしまうのです。

7、完璧主義な傾向があり「家事も育児も私が完璧にこなさなければ」と強い責任感を感じてしまう
何でも自分で完璧にこなそうとする、強い責任感を持つ完璧主義の人は、産後うつになりやすい傾向があります。
過去に、人に頼らず一人で困難を乗り越えてきた経験があるのかもしれません。
「自分でやらなければ」という思いが強く、休むことさえ「悪いこと」のように感じてしまい、自分に休息を許すことができません。
心の奥底には「人に迷惑をかけてはいけない」という考えがあるため、パートナーや家族に助けを求めることさえ迷惑な行為だと捉え、一人ですべて を抱え込んでしまうのです。
8、本当は助けてほしいのに、周りの人を頼ることができない
上記の完璧主義の方に多く見られるのが、人に頼ることができないという特徴です。
本当は助けてほしいと思っているのに、「迷惑をかけてしまうかもしれない」と先読みしたり、「相手が嫌な顔をしたらどうしよう」と、相手の顔色を窺っていませんか?

つらいと感じているのに、助けを求めることができず、ただ 耐え忍んでいると感情のコントロールが効かなくなり、理由もわからず涙が溢れてくることがあります。
そのような状態にある場合、あなたの心が「もう限界だ」と教えてくれているのですよ。
9、些細なことでも悲しくなる、涙が止まらなくなる
産後うつでは、些細なことでも涙が出たり、気分が落ち込んだり、情緒不安定になるなど、感情のコントロールが難しくなることがあります。
心が不安定になると、誰でも、悲観的・否定的に物事を捉えやすくなります。
急激な感情の変化は、何も手がつかないなど日常生活に支障をきたすことがよくあります。
10、ふとした瞬間に「消えてしまいたい」「どこか遠くへ逃げてしまいたい」と感じることがある
「この苦しみから解放されたい」
「 すべてを捨てて一人になりたい」
「死んで楽になりたい」
このようなことを感じている場合、産後うつはかなり深刻な状態です。
目の前の現実を受け止め、立ち向かうだけのエネルギーがなく、心のガソリンは空っぽに近い状態です。
今すぐに信頼できる誰かに助けを求める必要があります。

11、洗濯や料理など、これまで普通にできていたことが急に億劫に感じたり、全くできなくなってしまう
これまで当たり前にできていた家事や育児が急に億劫に感じたり、全くできなくなってしまうのも、産後うつの特徴です。
今まで当たり前にやってきたことが急にできなくなると戸惑いますよね。
しかしこれは、あなたの脳が、心と身体を守るために活動にストップをかけているサインです。
「これ以上無理をしたら壊れてしまうよ」という身体からのSOSなのです。
このようなサインが現れたときは無理せず休息し、家族や信頼できる人、もしくは専門機関に連絡を取ってください。
12、罪悪感に苛まれ、自分を叩いたり傷めつけたくなることがある (自傷行為)
赤ちゃんに感情的に怒ってしまった後に、 「自分を叩きたくなる」衝動に駆られたり
実際に 自分を叩くといった「自傷行為」をしてしまう場合も、産後うつが重症化している可能性が高いです。

赤ちゃんに怒ってしまったことに対する深い懺悔の気持ちから、自分自身を罰することでしか償えないと感じているのかもしれません。
自分を責めることも、自分を傷つけることも生きる意欲を奪ってしまう行為です。
まずは、そのような状態になっている自分に気づくことが大切です。
13、わが子を可愛いと思えない瞬間がある そんな自分に強い嫌悪感を抱いてしまう
わが子を可愛いと思えないと感じてしまうのも、産後うつの方によく見られます。
育児が思うように進まず、悲観的なことばかりを感じていると、幸福感を感じることが難しくなってしまいます。
喜びや愛情よりも、苦しみや辛さばかりを感じて過ごしていると「こんなに苦しいのはこの子のせいだ」と感じ、わが子に対してますます愛情を注げなくなっていきます。
そして、そのような感情を抱く自分自身を責め、さらに産後うつが悪化してしまうのです。
「もしかしたら、私のことかも…」と感じたあなたへ
もし、これらのチェック項目の中に、「今の私とそっくりだ」「まさに私のことだ」と感じるものがあったとしても、決して自分を責めないでほしいのです。
産後うつは、ホルモンバランスの乱れだけでなく、頑張りすぎる癖だったり、迷惑をかけてはいけないという固定概念など
実は、幼少期の育った環境さえも影響している場合もあるのです。
決してめずらしいことではなく、多くの母親が経験する可能性のある症状なのです。私自身も、その一人でした。
産後うつは、あなたが赤ちゃんに幸せに育ってほしいと強く願うからこそ、無意識のうちに 120% の力で頑張りすぎてしまった結果なのかもしれません。
決して、あなたができない人間だからでも、母親失格だからでもありません。
産後うつは改善できます
産後うつは、あなたのせいではありません。
あなたが、大切な赤ちゃんを守ろうと必死に頑張ってきたからこそ、あなたの心と身体が「頑張りすぎだよ」とサインを送ってくれているのです。
あなたと赤ちゃんと家族みんなが幸せに暮らしていくために、まずはあなた自身の心身の健康を取り戻しませんか?

また、産後うつは、再発率が 60% 以上とも言われています。自分が陥りやすい傾向を知っておくことは、今後の対策を立てる上で非常に重要です。
さらに一歩踏み出すあなたへ
もし、この記事を読んで「自分のことだ」と感じ、少しでも改善したいと思われたなら、一人で悩まず、必要な支援やサポートを求めることを考えてみてください。
①信頼できる家族や友人に気持ちを打ち明ける
話すだけでも気持ちが楽になることがあります。
②地域の子育て支援センターや保健師さんに相談してみる
専門的なアドバイスや、利用できるサービスの情報を提供してくれます。
③精神科、心療内科を受診する
適切な診断と治療を受けることができます。
- しんどいときは洗濯物をたたまなくても大丈夫です
- 夕食は、お惣菜やデリバリーでも大丈夫です
- パートナーや 家族に赤ちゃんを預け、自分の時間を持っていいのです
- 疲れたらお昼寝をしてもいいのです
- 毎日お風呂に入らなくてもいいのです
- 毎日掃除をしなくても掃除機をかけなくてもいいのです
- 母乳だけでなくミルクを飲ませてもいいのです
- 赤ちゃんの体重は、その子のペースで増えていきます
- 毎日決まった時間に赤ちゃんを寝かしつけなくても大丈夫です
- お子さんはありのままでいいのです
「〜しなければならない」というルールに縛られず、できない日があっても大丈夫なんですよ。
子育てで一番大切なことは、完璧に何かをこなすことではありません。
「赤ちゃんとあなたが笑顔で過ごすこと」
それが赤ちゃんの成長にとって一番の栄養になります。
そのためにはまず、あなたが笑顔でいられるように、心のエネルギーを少しずつ貯めていきましょう。
あなたは一人ではありませんよ。
どれも試してみたけど改善に繋がらない、そんなときは…
カウンセリングルーム ポポラスでは、子育てで悩むお母さんのための「心の土台構築実践プログラム」をご提供しています。

講座を受講されるお母さん達は、共通して「真面目で頑張り屋さん」です。
なんとか自分を変えようと、子育て本を読み漁ったり、夜な夜なネットで情報収集したり、アンガーマネジメントを学んでいる方もいます。
必要なことは学んでいるはずなのに、問題は解決しない、変わりたいのに変われない人達ばかりです。
そんなつらい状態にあったお母さん達も、実践プログラムが終わると「子どもや夫との関係が劇的に改善した」「自信を持って子育てができるようになった」と激変していきます。
実践プログラムで何をやっているかというと、「心の土台づくり」を行なっています。
どんなに子育て本を読んでテクニックやノウハウを学んでも、実践するための自分自身のマインド、つまり「心の土台」が育っていないと、学んだことを実践し活かすことができないからです。
もし、あなたが
- 友達や家族に話しを聞いてもらったけど一時的にラクになっただけだった
- 家族や友達の理解を得られず逆に落ち込んだ
- 病院を受診したけど改善までは至っていない
- なんとなく病院は違うような気がしている
- 頭ではわかっていても、なかなか行動に移せない、心がついていかない
- 一人では解決できないと感じる
このような状態にあるのであれば、一度、お試しカウンセリングで、お話してみませんか?
同じ悩みを経験し克服したカウンセラーが、あなたの悩みを整理し「これからどうすればいいのか?」を一緒に考え、具体的な方法をお伝えします。
私たちは、決してあなたを一人にしません。一人で苦しまないで下さいね。
産後うつのお悩みを相談できるカウンセラー▼
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カウンセリングルーム ポポラス/カウンセラー ▼
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